オランダに住んでいるからこそ思う、外国人参政権論を考えてみた

By L.star, 2009 年 8 月 20 日

気がついたら1ヶ月経ってしまった。一度帰国して、忙しい日々をすごした。そしたら3kg太った上にオランダに帰って旅行疲れですよw

とりあえず久々に何か書いてみようと思って軽い話題から。

民主党 最近何かで民主党が政権執ったら日本は終わりみたいな事を聞いたのですが、… – Yahoo!知恵袋.

実際にオランダでは、外国人参政権を導入して以来、イスラム人による集落地域が出来上がり、独立宣言をされて、国家分裂の危機に陥ってます。

もとねたは2chのコピペっぽいが、どうもL.starの知っているオランダと違うオランダがあるらしい。オランダはもともと非常に移民に寛容な政策を採ってきた国なのは事実だが、上で正しいのは以下の2点だけ。

  • 外国人参政権を導入
  • イスラム人による集落地域が出来上がり

正直、2点に相関関係すらないんじゃないかと思う。もちろん、イスラム人コミュニティの評判がオランダ人にとって悪いのはある程度事実ではあるのだが、それだけだ。独立宣言は聴いたことが無い。国家分裂とかなんのことだ。むしろワロンとフランドルで仲の悪い状態が続いているベルギーを混ぜているんじゃないのか。だとしたら移民政策は一切関係ない。

まあ何がいいたいかというと、上のコピペはたわごとだということだ。いやしいて言うなら、極右政党オランダ自由党の声明かもしれない。しかしそんなのは国民の総意でも現実でもない、ただのアジテーションだ。

ところで、L.starは日本の移民政策を大幅拡大すべきとかには正直あまり賛同しないが、必要な日本再構築のためにも、優秀な外国人にはもっと門戸を開くべきだ。そして彼らを安心させるためには居住外国人(永住権程度は必要だろう)に対する選挙権は必須だ、と考えている。実際、反イスラムの(移民政策に不寛容だろうと想像される)ウィルダースの自由党が票を伸ばした脅威に直面して、いろいろ考えることがあったのだ。

彼がもし与党になれば、優秀なオランダに貢献しているのも、テロリストや予備軍も、イスラム教徒であるだけで十把ひとからげに追い出されるかもしれない、というのは実際在住外国人として他人事には思えなかった。参政権が無ければ、彼らにはNoを発する権利すら与えられないのだ。そんな状況で永く住みたい、社会に貢献したいと思うだろうか?

また、俗に言うネトウヨたちは、今外国人参政権に反対する理由として在日韓国人たちをあげる。しかし、在日韓国人のせいであなたがた在日アメリカ人に選挙権をあげられません、という理由をいったい誰が理解するか?私なら言うだろう、「馬鹿にしているのか」と。そして、そういう人こそ今考えていることがL.starと同じような志の高いこと(と、まあ本人は信じている)であったとしても、次に「今度は中国人を排斥しようぜ」と言い出すのではないかと恐れている。当初の目的を忘れてしまって。これではナチの再来だ。

そんな日本は嫌だ。日本は鎖国で成功したのではない。単一民族としてだけで成功したというのなら、世界中にある日本車と日本電化製品は何だというのだ?勝手に買われただけか?もちろん売れたのには理由があったのだ。ちゃんと世界で何をすべきか考えた人がいるから売れているのだ。輸出国家である以上、世界をちゃんと見れる組織なくして成功はおぼつかない、という初歩的なことに気づいてほしいものだ。

だから私は、外国人参政権についてネトウヨの指摘するようなものを中心に現状多少(かなり、かな)問題があることを認めつつも「認めるべき」というべきだと思うのだ。そして認めるという論点に立って、問題を排除することが必要だ。さもないと目的を忘れてしまう。われわれ日本人全員が世界に対して広い目を持つ必要は無いのはもちろんだが、しかし広い目を持つ人が活躍する余地は間違いなく必要なのだ。それを踏まえるなら長期的な視点として「前に進む」という意思を持って、それを明示することこそ必要なのだ。さっきのアメリカ人に、の話なら「現在かくかくしかじかの問題があるので、それが解決してから」というなら、みんな納得するだろうし。

うっかり話が長くなってしまった。まあ最近のいろんな論点を見るにつけそんなことをつらつら考えてしまうのだ。もうちょっと軽くしたいと思わないでもないけど、やっぱりblogではちょっと無理かな。まあ、毎日更新の軽い記事をもうちょっと増やすのがいいかもしれないけど。

なお、これはL.star個人の考えであり、最近の選挙に関連して既存政党が同様の言葉をどう解釈しているのかは知らない。同じ単語を使うからといって、同様の考えをしているとは限らないので、その点はご自身で判断いただきたく。

105 Responses to “オランダに住んでいるからこそ思う、外国人参政権論を考えてみた”

  1. L.star より:

    (アルマジロさん)

    韓国では在外韓国人に歓呼クでの選挙権を与える法律が成立してるのでは?

    相互主義の観点で言えば、というのはあまり意味がないかと思います。私は日本での選挙権がありますが、オランダでの選挙権を今後有することになりますし。
    それを理由にしようとは、L.starは思っていません。

    帰化条件を緩和するのが参政権付与より現実的でしょう。

    既存の特別在住者についてはそうだろうと思いますね。もっとも条件緩和なのか手続き簡素化なのか強制付与なのか、いろいろありますが。

  2. 愚かなプレジデンテ より:

    「オランダの地方自治」(http://www.clair.or.jp/j/forum/series/pdf/j22.pdf)のp49より外国人は選挙権は
    「イ 外国人(EU 市民;EU Citizens)
    オランダに居住する欧州連合(EU)加盟国の国籍を有する外国人は、居住年数に関係なく居住する地方自治体議会議員の選挙権を有している。なお、州議会議員選挙への選挙権は有していない。
    ただし、オランダ国内にある在外公館・領事館に勤務している者や、世帯を同じくしているオランダ国籍を持たないその配偶者、パートナー、及び子どもは投票する権利を持たない。
    さらに、EU議会議員選挙については、オランダ選出の議員に対する選挙権を有する。」
    「ウ 外国人(EU 市民以外)
    オランダに居住するその他の外国人は、オランダに引き続き5 年以上の居住を要件として地方自治体議会議員選挙権を獲得することができる。上記「イ」と同様、州議会議員の選挙権は与えられていない。
    なお、上記「ア」、「イ」、「ウ」にかかわらず、犯罪歴があり裁判所から公民権の停止を宣告された者や、精神障害者として宣告された者については、選挙権は有しない。」
    *「ア」はオランダ国籍を持つ者
    被選挙権は
    「イ 外国人(EU 市民)
    18 歳以上で、オランダに引き続き5 年以上居住している外国人は、地方自治体議会議員選挙への立候補が可能である。
    オランダに居住するEU 市民は、居住年数に関係なくオランダ国内におけるEU 議会議員選挙への立候補が可能である。
    ウ 外国人(EU 市民以外)
    「イ」と同様、地方自治体議会議員選挙へのみ立候補のみが可能である。
    なお、選挙権と同様「ア」、「イ」、「ウ」にかかわらず、犯罪歴があり裁判所から有しない。」

  3. 私もオランダ在住 より:

    上に書かれているオランダに関するデマは、もとはといえば西尾幹二が『SAPIO』でいっていることです(西尾はこれを自分のブログにも掲載しています)。
    当然、これはまったくのウソなので、出典も明記されていません。お前は本当に学者か?といいたくなるような西尾の不誠実な執筆姿勢はともあれ、それが一人歩きしているのが現実です。
    移民が一定地域に集中するのは、オランダに限らずどこでも同じで、それは「職場に近い」「老朽化した住宅が多くて安い」といった条件が移民を集めるからで、参政権とは何の関係もありません。一般に移民は、投票率が低く(その意味で政治的影響力は低い・・そんなに政治に関心をもてないでしょう、外国にいっても)、自分たちの階級(多くは労働者)にあった政党に投票します。それ以上でもそれ以下でもなく、移民ならではの特色などはありません。

  4. L.star より:

    (私もオランダ在住さん)
    実は西尾の元ネタはWebにあります。それは別エントリで考察したとおり、アメリカの保守の言説を誤って理解した結果です。彼らは踊らされているといっていいでしょうね・・・

  5. [...] L.starにとっての排外主義との戦いはオランダに住んでいるからこそ思う、外国人参政権論を考えてみた前後あたりがスタートである。そのときは外国人参政権と絡めて知的移民の必要性 [...]

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